あたたかいうた、十一。 『草木塔』七百一句のうち、十一句に。 「あたたかい白い飯が在る」。それだけで一句になる。あたたかさは、この人の句ではいつも小さな救いのかたちをしている。 落葉あたたかうして藪柑子其中一人 何もかも雑炊としてあたたかく山行水行 あたたかなれば木かげ人かげ雑草風景 あたたかく草の枯れてゐるなり柿の葉 伊豆はあたたかく野宿によろしい波音も柿の葉 墓場あたたかうしててふてふ柿の葉 あたたかい白い飯が在る柿の葉 藁塚藁塚とあたたかし柿の葉 山裾あたたかなここにうづめます銃後 もらうてもどるあたたかな水のこぼるるを孤寒 草の実が袖にも裾にもあたたかな孤寒 よく使われることばの一覧へ
「あたたかい白い飯が在る」。それだけで一句になる。あたたかさは、この人の句ではいつも小さな救いのかたちをしている。