ふるさとのうた、十五。 『草木塔』七百一句のうち、十五句に。 生家の没落と母の死があった山口の町。なつかしさと痛みがいつも同居している。「ふるさとは遠くして木の芽」。 ふるさとは遠くして木の芽鉢の子 雨ふるふるさとははだしであるく其中一人 ほうたるこいこいふるさとにきた行乞途上 かすんでかさなつて山がふるさと行乞途上 おもひでは汐みちてくるふるさとのわたし場山行水行 ふるさとの水をのみ水をあび山行水行 彼岸花さくふるさとはお墓のあるばかり山行水行 ほろにがさもふるさとの蕗のとう雑草風景 ふるさとはあの山なみの雪のかがやく柿の葉 からまつ落葉まどろめばふるさとの夢柿の葉 ふるさとの土の底から鉦たたき柿の葉 その一片はふるさとの土となる秋銃後 ふつとふるさとのことが山椒の芽旅心 泊ることにしてふるさとの葱坊主旅心 ふるさとはちしやもみがうまいふるさとにゐる旅心 よく使われることばの一覧へ
生家の没落と母の死があった山口の町。なつかしさと痛みがいつも同居している。「ふるさとは遠くして木の芽」。