死ぬうた、八。 しぬ 『草木塔』七百一句のうち、八句に。 死はいつも近くにあった。だからこそ、死なずにいる今日のほうが句になる。「しぐるるや死なないでゐる」。 しぐるるや死なないでゐる鉢の子 柿の若葉のかがやく空を死なずにゐる山行水行 死んでしまへば雑草雨ふる雑草風景 産んだまま死んでゐるかよかまきりよ柿の葉 そこに月を死のまへにおく孤寒 霜しろくころりと死んでゐる旅心 うらうら蝶は死んでゐる旅心 きぬぎぬの金魚が死んで浮いてゐる旅心 よく使われることばの一覧へ
死はいつも近くにあった。だからこそ、死なずにいる今日のほうが句になる。「しぐるるや死なないでゐる」。