雨のうた、十二。 あめ 『草木塔』七百一句のうち、十二句に。 雨は防ぐものではなく、受けるものだった。笠一枚で歩く人の雨は、恨みごとにならない。「わがままきままな旅の雨にはぬれてゆく」。 食べるだけはいただいた雨となり鉢の子 雨の山茶花の散るでもなく鉢の子 あの雲がおとした雨にぬれてゐる鉢の子 雨ふるふるさとははだしであるく其中一人 わがままきままな旅の雨にはぬれてゆく行乞途上 食べる物はあつて酔ふ物もあつて雑草の雨山行水行 もう枯れる草の葉の雨となり雑草風景 雨ふればふるほどに石蕗の花孤寒 播きをへるとよい雨になる山のいろ孤寒 雨を受けて桶いつぱいの美しい水孤寒 朝の雨の石をしめすほど旅心 燃ゆる火の、雨ふらしめと燃えさかる鴉 よく使われることばの一覧へ
雨は防ぐものではなく、受けるものだった。笠一枚で歩く人の雨は、恨みごとにならない。「わがままきままな旅の雨にはぬれてゆく」。