ゆくうた、十。 『草木塔』七百一句のうち、十句に。 過ぎてゆく、暮れてゆく、流れてゆく。とどまらないものたちの動詞。「死はひややかな空とほく雲のゆく」。 雪ふる一人一人ゆく其中一人 雪へ足跡もがつちりとゆく山行水行 残された二つ三つが熟柿となる雲のゆきき雑草風景 何を求める風の中ゆく雑草風景 みんなかへる家はあるゆふべのゆきき柿の葉 ぬれててふてふどこへゆく柿の葉 お骨声なく水のうへをゆく銃後 死はひややかな空とほく雲のゆく孤寒 水音けふもひとり旅ゆく鴉 旅の月夜のだんだん虧げゆくを鴉 よく使われることばの一覧へ
過ぎてゆく、暮れてゆく、流れてゆく。とどまらないものたちの動詞。「死はひややかな空とほく雲のゆく」。