枯れるうた、十二。 かれる 『草木塔』七百一句のうち、十二句に。 枯れることは終わりではなく、ひとつの完成だった。枯れゆく草のそばに、この人はよく座りこんでいる。「草はうつくしい枯れざま」。 すつかり枯れて豆となつてゐる鉢の子 石があれば草があれば枯れてゐる山行水行 酒をたべてゐる山は枯れてゐる山行水行 枯れてしまうて萩もすすきも濡れてゐる山行水行 枯れたすすきに日の照れば誰か来さうな山行水行 枯れゆく草のうつくしさにすわる雑草風景 枇杷が枯れて枇杷が生えてひとりぐらし雑草風景 もう枯れる草の葉の雨となり雑草風景 あたたかく草の枯れてゐるなり柿の葉 からむものがない蔓草の枯れてゐる柿の葉 草はうつくしい枯れざま柿の葉 枯すすき枯れつくしたる雪のふりつもる孤寒 よく使われることばの一覧へ
枯れることは終わりではなく、ひとつの完成だった。枯れゆく草のそばに、この人はよく座りこんでいる。「草はうつくしい枯れざま」。