葉のうた、十九。
は
『草木塔』七百一句のうち、十九句に。
- しきりに落ちる大きい葉かな鉢の子
- 人が来たよな枇杷の葉のおちるだけ其中一人
- 何とかしたい草の葉のそよげども其中一人
- いちじくの葉かげあるおべんたうを持つてゐる行乞途上
- 散るは柿の葉咲くは茶の花ざかり山行水行
- 汽車のひびきも夜明けらしい楢の葉の鳴る山行水行
- 日ざかり落ちる葉のいちまい山行水行
- 寝床へ日がさす柿の葉や萱の穂や山行水行
- 百舌鳥のさけぶやその葉のちるや山行水行
- もう枯れる草の葉の雨となり雑草風景
- おもひおくことはないゆふべの芋の葉ひらひら雑草風景
- 花が葉になる東京よさようなら柿の葉
- 何おもふともなく柿の葉のおちることしきり柿の葉
- 月からひらり柿の葉柿の葉
- 澄太おもへば柿の葉のおちるおちる柿の葉
- 葉の落ちて落ちる葉はない太陽柿の葉
- 死のしづけさは晴れて葉のない木孤寒
- をなごやは夜がまだ明けない葉柳並木旅心
- かたすみの三ツ葉の花なり鴉
柿の葉、枇杷の葉、芋の葉。一枚の葉が落ちる、それだけのことが一句になる。「日ざかり落ちる葉のいちまい」。